大切にしたいと考えているのは
『部下・後輩のやる気』

現在は一般炭事業部で一般産業向けの石炭販売を担当しています。入社してから10年以上、別の商品の業務に携わってきましたが、2014年に現在の部署に異動しました。必ずしも希望通りの配属になるとは限りませんが、様々な商品を手掛けているわが社では、新しい分野に挑戦する事が可能です。

一つの商品で知識や経験を積み、その商品のプロになりたいと思う人もいますが、私は様々な商品や業界に携わり、お客様のいかなるご要望にも対応できる能力を身に付けたいと考えています。

2009年から13年までの4年間、泰MC商事会社に非鉄地金原料部長として出向しました。当時は景気回復が見え始めた時期で、失業率は1%を下回り、人件費は年々上昇していたのをおぼえています。スタッフの給与は会社で決められているので、給与以外で彼らのモチベーションをいかに高めるかに苦心しました。

ある時、20代前半の若手スタッフAさんに対し『責任は私が取るのでこの案件を全てあなたに任せたい。マネージャーと相談してこの案件に取組んでほしい。』と指示を出しました。Aさんは『本当に自分に任せて良いのか？』と何度も確認を取りに来ましたが、そのたびに信頼している旨を伝え、ひたすらAさんからの報告を待ちました。実際にはAさんの上司であるマネージャーから逐一報告を受けていましたが、基本的にはAさんの意見を尊重し、時に軌道修正のアドバイスをしながらじっと待ちました。結果として、その案件は問題なく進み、利益に繋がりましたが、私が得た本当の利益とは、Aさんの仕事に対する姿勢が見違えるように積極的になった事でした。利益以上に価値がある貴重な経験だったと思います。

物事に取組む時には『先入観を持たずに最初から消極的にならない事』を心がけています。過去の経緯や失策にとらわれず、現在ならどうなるのかを自分の目で確認する事が重要だと思います。大切にしたいと考えているのは『部下・後輩のやる気』です。若手社員が提案する案件は大半が実用化できません。それでも提案に対しては真摯に向き合い、絶対に全てを否定はしません。仮に否定するのであれば、その理由を明確に説明し、同時に否定に対する代替案を提示し、建設的な会話になるよう心がけています。仕事とは決して楽しい事ばかりではなく、辛い事の方が多いと思います。周囲の人たちに対して『仕事は辛くても面白い』と思わせる人間になりたいと思っています。

休日、子供達が一緒の時には車で少しドライブしつつランチを取ります。終日１人で過ごす事は滅多にありませんが、時間がある時は大好物のラーメン店の新規開拓をしています。時にはラーメンを食べるためだけに電車に乗って遠方まで出かけたりします。ネットで検索した口コミや評価を鵜呑みにすると高確率で残念な結果になるので、先ずは自分の足で確認するようにしています。新規開拓をすると気分転換にもなるのですが、家族と一緒に夕食を取れなくなるのが難点です（笑）

『夫婦であれば阿吽の呼吸でお互いがわかる』と言うような夫婦にはなれないので、我家ではたくさん会話するようにしています。子供達とは帰宅後に、その日にあった事や、自分達が考えている事などを話します。他愛もない会話ですが、意識して聞き手に回り、子供達のペースで会話を引き出すようにすると、時には思いがけない話も聞けたりします。子供達から聞いた話は、妻とも共有します。私が不在中にあった話も妻から聞くようにしています。夜遅くまで話し込んで、寝不足になる日もありますが、それでも毎日会話することによって、仕事と家事を担当する相手を、互いに気遣えるのではないかと思います。