金属資源トレーディングの最前線
「シンガポール」で働く
世界中の資源会社が拠点を構える、アジアの中心都市シンガポール。
この地に、世界のRtMグループを統括するMitsubishi Corporation RtM International(以下、RtMI)があります。
現在、三菱商事RtMジャパンからRtMIに出向しているお二方に、シンガポールでの仕事や
新たな気づき、休日の過ごし方などについて語り合ってもらいました。
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総合職
- Sさん
- 2010年入社
フロント(営業部門)で、
国内向けアルミ地金の調達・販売を担当。
14年12月、RtMIに出向。
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総合職
- Fさん
- 2005年入社
バック(事務部門)で、
アルミ地金の国内・輸入取引を担当。
その後、ミドル(※)に異動し、
15年4月よりRtMIに出向。

シンガポールで働いてみて
私は今、ミドルとして銅やニッケルを担当していて、Sさんはアルミを取り扱っていますよね。商品が異なるので仕事での接点は限られていますが、今具体的にどのような仕事をしていますか。
メインの仕事はアルミ地金の営業です。主に東南アジアの取引先を担当しています。
Sさんは元々、海外志向が強かったんですか。
そうですね。今回、市場が急激に拡大するポテンシャルを秘めたアジアで働くチャンスをいただき、とてもうれしく思っています。この機会に、自分自身のさらなる成長につなげたいですね。
私もトレーディングの最前線で仕事ができることに喜びを感じる一方、海外で職務が果たせるのか不安もありました。でも、現地のスタッフや上司がとても気にかけてくれ、さまざまな場面でフォローしてくれました。
確かに親切な人が多いですね。他方で、いざ仕事になると、「日本人と比べてより強く自己を主張するな」という印象を受けました。赴任当初は、コミュニケーションの取り方に苦労したのを覚えています。

仕事の難しさ、やりがい
シンガポールに来て仕事の幅は広がりましたか。
はい。今、取り扱っているアルミ地金には2種類あり、1つは汎用性と市場流通性が高い「アルミ新塊地金」、もう1つは取引先ごとにスペックが指定されている「新塊合金」です。アルミ新塊地金は日本でも担当していたので仕事の流れは分かっていましたが、新塊合金はRtMIで初めて担当しました。
仕事の進め方にどのような違いがあるのでしょうか。
アルミ新塊地金は、万一の場合でも別のソースを使うことで代替品による対応ができますが、新塊合金は代替が利かないため、そう簡単にはいきません。さまざまなリスクを想定し、船積遅延などで取引先にご迷惑をおかけすることがないよう対応しています。難しい仕事である分、無事商品を届けられたときの達成感もひとしおです。
確かに、起こりうる事態を全て想定することは本当に難しい。取引は多様化、高度化してきているので、リスク管理の仕事がますます重要になっています。
リスク管理の仕事は、なくてはならないものですが、作業が細かくて大変ですよね。ミドルのおかげで、私たちフロントはよりリスクにきめ細かく対応しながら仕事ができ、とても助かっています。
そう言ってもらえるとうれしいし、やりがいになります(笑)。ミドルは取引チェックをしており、機能の一つとしてフロントに対して牽制機能を発揮しますが、サポートも重要な役割ですから。

仕事のモットー、目標
仕事をする上でのモットーは何ですか。
とにかくレスポンスを早くすることですね。特にアルミ新塊地金は、価格や受渡条件の違いがあるにせよ、スペックがロンドン金属取引所(LME)規格で統一されているので、うかうかしていると競合他社に仕事を取られてしまいます。
日本のビジネス習慣だと、つい物事を慎重に考えてしまい、レスポンスが遅れてしまうこともありますよね。
私の上司はフランス人ですが、彼はレスポンスをするそばから、取引条件などを考えています。このスピード感を目の当たりにし、取引先の信頼を勝ち取るための仕事の厳しさを痛感しました。
身近に手本となる存在がいるのは、心強いですね。Sさんは、仕事で目標としていることは何かありますか。
入社以来、一貫してアルミを担当してきたので、これからもアルミで経験を積みたいという思いもあるのですが、同時に別の金属資源の取引も経験してみたいという気持ちも強いです。一度アルミから離れることで、新たな気づきが生まれ、今後の仕事にも必ずプラスになると思うからです。
私はRtMIで取引している全ての商品のリスク管理を担当できればと思っています。RtMIはRtMグループを統括しているため、世界全体のリスク管理を俯瞰して見ないといけない。個別商品のリスク管理とRtMグローバルのリスク管理、この経験は今しかできないので、ぜひさまざまなリスク管理に携わり、日本に帰った際は、RtMIで得られた経験、知識を活かしたいですね。

シンガポールでの休日の過ごし方
ところで、休みの日はどんなことをして過ごしていますか。
カフェで読書をしていることが多いですね。元々、体を動かすことが好きで、日本ではサッカーをよくやっていました。でも、シンガポールは高温多湿の国なので、屋外で激しい運動をすれば、すぐに倒れてしまいますよ(笑)。
ガーデンカフェで緑に囲まれて過ごすのは癒されますよね。私も屋外では運動ができないので、ジムに通っています。仕事ではパソコンの前で分析していることが多く、頭の中が固まってしまって。何も考えずに体を動かすと、自然とリフレッシュできますね。

RtMグループの魅力
RtMグループの良さは何だと思いますか。
コミュニケーションが活発なところですね。RtMIでは、歓送迎会や会食などのイベントが多く、私たちのような日本からの出向者と現地のスタッフが、お酒を飲みながら気軽に話せる機会があるのは、本当にありがたいです。仕事で接点がない者同士でも話せるし、何よりチームがまとまって、会社全体にも一体感が生まれます。
そうですね。RtMグループの一体感の強さはいつも感じています。それでいて、キャラクターの濃い人材もそろっている(笑)。
チームワークを基本としながら、個性を大切にするのも良いところですね。
今、RtMグループは世界に存在感を示そうと、とても活気づいています。ぜひ、私たちもビジネスの拡大に貢献したいですね。
はい、一緒に頑張りましょう。グローバルに活躍したいと考えている方は、ぜひRtMジャパンの門を叩いてください。